美容医療の下調べ

サーマクールは効く? 比べる試験は 1 件、それも腕の皮膚だった

公開 ・ 最終更新 ・ ワグミコンサルティング 代表

高周波(サーマクール・デンシティ等)について考えている場面

サーマクール、デンシティ、ボルニューマ。機械で引き締める施術を考えている人に向けた記事です。この群の質問 247 件のうち、84 件が効き目や持ちについての質問でした。当サイトの施術の中でいちばん多い数です。2026 年 9 月に編集部が 5 つの学会の指針を開きました。

先に結論です。指針が挙げた比べる試験(ランダム化比較試験)は 1 件だけで、それも健康な人の腕の皮膚で行ったものでした。指針に出てくる「約 50% の改善」は、別の、比べる相手を置かない研究の数字です。

比べる試験は 1 件、それも腕の皮膚

5 学会の美容医療診療指針は、効き目の根拠についてこう書いています。「高周波治療の有用性については、1 件のランダム化比較試験の報告に留まる」。

その 1 件は、健康な 25 名の両腕の皮膚に小さな目印を入れ、片腕には 1 回、反対の腕には複数回の照射をして、目印で描いた四角の辺の長さを測った試験です。皮膚の面積が縮んだことは示されました。ただ、測ったのは腕です。顔のたるみを測った試験ではありません。

「約 50% の改善」は、別の 17 名の研究

指針が紹介している改善率は、Taub らが 17 名に 4 MHz のモノポーラ RF を使ったコホート研究から来ています。比べる相手を置かず、受けた人の前後を見る研究です。

6 か月で 6 回の施術を行った結果、客観指標で施術終了直後には約 50% の改善率がみられ、さらに最終施術の 6 か月後でも約 30〜50% の改善率が維持されていた

数字は 17 名分です。指針が集めた論文は、根拠の強さで A が 0 件、B が 3 件、C が 7 件でした。

それでも指針は有効性を「あり」、推奨度を 2 としました。推奨文は「効果は外科手術や注入剤を用いた治療に及ばないが、瘢痕形成は稀で、体内に異物を残さないため、非外科的な方法でシワ、タルミの改善を希望する患者の選択肢の 1 つとして行うことを弱く推奨できる」。安全については「比較的安全であるが、熱傷、瘢痕形成などの副作用に注意が必要である」とされています。

国が承認した機械は限られている

指針の承認状況の欄には「現段階では 1 種類のみが医療機器として国内承認が取れている」とあり、その 1 種類が何かは書かれていません。2022 年時点の記述です。数は変わりえます。受けるところで機械の名前を挙げて、今の状況を確かめてください。

未承認や適応外の機械なら、サイトに載るはずの 5 項目

厚生労働省の事例解説書(第 5 版)は、未承認の薬・機器や、承認と違う目的での使い方(適応外)を使う治療をウェブサイトで広告するとき、クリニックが載せる必要がある 5 項目を挙げています。

  • 未承認医薬品等であること
  • 入手経路等
  • 国内の承認医薬品等の有無
  • 諸外国における安全性等に係る情報
  • 医薬品副作用被害救済制度の対象にはならないこと

クリニックのサイトにこの 5 項目が載っているかを見て、無ければカウンセリングで聞けます。聞くのは 2 つです。「この機械は承認されていますか」「承認された目的の通りの使い方ですか」。内訳は高周波のデータページ、数え方はこのサイトのデータにあります。当サイトのこの群は、マイクロ波(2.45 GHz)を使うオンダの話題も含めて数えています。

本サイトは医療機関ではなく、施術を勧めるものでもありません。適応や安全性の判断は医師にご相談ください。

よくある質問

高周波の効果はどれくらい持ちますか
5 学会の指針が紹介しているのは、17 名に 6 か月で 6 回施術し、終了直後に約 50%、最終施術の 6 か月後も約 30〜50% の改善率が保たれたという研究です。比べる相手を置かない研究の数字で、指針が定めた推奨回数でもありません。示されたら、どの研究の、どんな条件の数字かを聞いてください。
効果の根拠はどれくらい確かですか
指針が挙げる比べる試験は 1 件で、健康な 25 名の両腕の皮膚で照射の回数を左右で変えたものです。そのうえで有効性は「あり」、推奨度は 2(行うことを弱く推奨する)という位置づけです。
使われている機器は承認されていますか
指針は「現段階では 1 種類のみが医療機器として国内承認が取れている」としていますが、2022 年公表時点の記述で、その 1 種類が何かは書かれていません。今の状況は、機械の名前を挙げて施術先で確認してください。

出典・確認日